special talk 01

× GSML スペシャル対談 01

元柔道男子日本代表監督

井上 康生

グローバルスポーツ医学研究所 代表取締役社長

富山 正一

トップアスリートの
身体と向き合う経験は、
我々、トレーナーにとって
この上ない財産です。

井上 康生

富山さんはじめ、グローバルスポーツ医学研究所の皆さまには、20年以上、私自身の活動を含めて柔道日本代表チームを支えていただきました。
現在、グローバル治療院は全日本柔道連盟唯一の指定治療院として、オリンピックを含めた国際大会などで我々にオフィシャルトレーナーを派遣していただいていますね。

富山 正一

私たちはソウルオリンピック(1988年)から柔道をサポートしてきました。私自身もアトランタ(1996年)やシドニー(2000年)などでオフィシャルトレーナーを務めました。畳の上に足を踏み入れさせていただいたときの、あの凛とした空気が今も忘れられません。

井上 康生

私が初めて国際大会に出たのが1997年で、当時は高校三年生でした。キツい練習の中で最高のコンディショニングに導いてくださるなど、私の柔道人生は富山さんを始めグローバルスポーツ医学研究所に支えられてきました。私が後進の育成を支える立場となっても、柔道界を支えてくださっていることに感謝します。

富山 正一

トップアスリートの身体に触れる経験は私たちにとってはこの上ない財産になります。アスリートは競技ごとに体つきが違う。柔道には柔道の筋肉のつき方があり、身体の動かし方がある。それを理解しながら、時にグラム単位の過酷な減量を支えたり。フィジカルとメンタル両方をサポートするよう心がけてきました。

極限状態の試合前、
心の“やすらぎ”を与えてくれる
トレーナーの存在は計り知れない。
フィジカルだけではなく、
メンタルもそっと支えてくれる。

井上 康生

オリンピックや世界選手権に出場する柔道選手にとって、トレーナーの存在は計り知れないほど大きい。決してフィジカルの面だけではない。監督やコーチ、ともすれば選手自身でも把握しきれないような極限下での精神状態を的確に捉え、親身になってサポートしてくれる。メンタルの支えはとても心強いものでした。

富山 正一

選手の身体を診て状況を掴み、最適なケアをするために、常に選手が心を開いてくれるように接してきました。今、選手は何に悩んでいるのか。「プライベートでの悩み」でも構いません。常に極限の状態でトレーニングし、闘っている選手たちに対して、我々が少しでも心のやすらぎになればいいと考えています。

井上 康生

試合前の選手って常に孤独で、不安や恐怖との闘いなんです。特に昨今、試合前の選手たちはずっと合宿所や部屋に隔離されていて、一切外に出られない状況が続いています。そういう時に精神的な拠り所があることが、どれだけ心強いか。監督やコーチではどうしても選手の心の奥底にまでは踏み込めないですから。

富山 正一

選手から信頼を得られなくなったら、我々の仕事は成り立ちません。ただ機械的にフィジカル面をケアするだけでは役不足だと考えています。特に柔道はもっとも金メダルが期待される競技。そのぶんプレッシャーも大きいでしょう。それでも世界一へ挑む選手たちに対して、一助となるような存在でありたいのです。

日本の柔道は世界一。
それを貫き通すために、
グローバルスポーツ医学研究所の“家族たち”がいる。

井上 康生

大会ごとにいろんなトレーナーさんにお世話になりました。最初は富山さんとの付き合いに始まり、次第に若いスタッフさんへとバトンタッチして。でも、それがどなたであっても信頼感は変わらなかった。フィジカルとメンタルのケア、その双方を全面的に委ねられる方ばかりだったのがとても印象的です。

富山 正一

帯同させるオフィシャルトレーナーは固定していません。私たちの正統な技術や考え方を共有した者を人選しています。スタッフがそれを望むなら、できる限り選手と帯同するチャンスを与えてきました。スタッフにとっても挑戦であり、康生さんの「初心を忘れず、挑戦する気持ち」と同じ。もちろん、誰もが選手たちを裏切らない一流の“技術者”でなければならない。

井上 康生

いかに技術や医学が発達しても「挑戦する気持ち」が、柔道で言えば「俺が一番強いんだ」という精神なくして勝ち残っていくことはできない。私は柔道を通じてそれを確信しました。誰のどういった挑戦であっても同じだと思います。その夢を尊重し、あらゆるスタッフにチャンスを与える体制には共感します。

富山 正一

会社はスタッフを家族のような存在だと思っています。家族全員が成長していくためには、厳しく指導しながらもスタッフの意思や希望を尊重する必要がある。その上で、トップアスリートだけではなく、お客様一人ひとりと真摯に向き合ってきました。それが私たちの活動の核だと考えています。

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